【宅建士試験】宅建業法の出題傾向と対策、攻略のポイントについて解説!

アイキャッチ画像 宅建業法の出題傾向と対策

はじめに

宅見(たくみ)所長

宅建士試験研究所の所長の宅見です。今回は、宅建業法の出題傾向と対策、攻略のポイントについてご説明します。

宅建士試験の出題科目の中で最も大切な科目は「宅建業法」です。宅建業法の出題数は50問中20問出題され、試験全体の4割を宅建業法が占めます。

宅建士試験研究所の宅建業法の目標点数は9割の18点です。宅建業法はしっかりと過去問中心で勉強するば満点を狙える科目です。満点を狙いながら9割の得点を獲得していただきたいです。

私の場合、宅建業法で19点取れましたので何とか合格することができました。宅建業法の範囲は少なく、出題形式もほぼ過去問と同じか似た問題です。

宅建業法は、難しい内容は少なく比較的分かりやすい内容が多いので、やればやるほど得点できる科目です。勉強のスタートは宅建業法から始めるとスムーズに進めることができます。

 

宅建業法の特徴

宅見(たくみ)所長

宅建業法の特徴は以下の通りです。ご確認下さい。
宅建業法の特徴
  1. 50問中20問出題される(全体の4割)
  2. 全範囲(86条の条文)がまんべんなく出題される(苦手の項目を作らない)
  3. 比較的簡単で点数が取りやすい(満点を狙える)
  4. 同じ問題、似た問題が繰り返し出題されている(対策しやすい)
  5. 改正が多い(近年の改正点はよく確認しておくことが必要)

宅建業法(86条)は、権利関係と比べると学習範囲はかなりせまいです。権利関係の中で中心となる民法だけでも条文は1,044条あります。

権利関係の出題傾向と対策について」は、こちら👇をご覧下さい。

アイキャッチ画像 権利関係の出題傾向と対策【宅建士試験】権利関係(民法等)の出題傾向と対策、範囲を絞った学習がポイント!

 

さらに、全体的にまんべんなく出題されますが、簡単な問題が多く過去問が繰り返し出題されています。そのため、宅建業法は対策が立てやすく点数が取りやすい科目です。

ただし、このことは誰にも言えることです。合格する人は宅建業法で貯金を作ります。もしも、宅建業法で5問以上間違えたら、ほぼ合格は難しくなります。

改正が多いのも特徴の一つです。改正点は出題される可能性が高いため、必ず確認しておきましょう。

 

宅建業法の出題傾向(頻出度と重要度)

宅見(たくみ)所長

宅建業法は、全ての範囲を一通り勉強する必要があります。罰則以外は、どの項目も頻出度は高く、重要度の3つ星(最も高い)の項目ばかりです。

※👇スマートフォンの方は左右にスライドして表をご覧下さい。

番号 項目 頻出度 重要度
1 宅建業、宅建業者とは 星星星
2 事務所とは(設置) 星星星
3 免許の申請、基準 星星星
4 免許の効力(届出等) 星星星
5 事務所以外の場所 星星星
6 宅地建物取引士 星星星
7 宅地建物取引士証 星星星
8 営業保証金 星星星
9 弁済業務保証金 星星星
10 媒介契約、代理契約 星星星
11 広告に関する規制 星星星
12 重要事項の説明(35条書面) 星星星
13 37条書面 星星星
14 その他の業務上の規制 星星星
15 自ら売主制限 クーリング・オフ制度 星星星
16 自ら売主制限 手付金等の保全措置、手付の額の制限等 星星星
17 自ら売主制限 損害賠償額の予定等の制限、瑕疵担保責任の特約制限 星星星
18 自ら売主制限 その他 星星星
19 報酬に関する制限 星星星
20 監督処分 星星星
21 罰則 星
22 住宅瑕疵担保履行法 星星星

宅建業法は、罰則以外頻出度は高く、ほぼ全てが重要と考えて学習していただきたい科目です。どの項目もまんべんなく出題されるのがポイントです。

念のため、罰則も過去問は確認しておきましょう。

 

宅建業法の対策・攻略ポイントを一言解説

宅見(たくみ)所長

それでは、一つ一つ項目ごとのポイント(対策)をみていきましょう。

1.宅建業、宅建業者とは 2.事務所とは(設置)

事例問題として、ほぼ毎年1問出題される項目です。

「宅地」、「建物」、「取引」、「業」について、それぞれの意味をおさえておく必要があります。

また、事務所については、「事務所」の意味と標識、報酬額の提示、帳簿、従業者名簿、成年者である専任の宅地建物取引士の5つの内容を確認しておきましょう。

3.免許の申請、基準 4.免許の効力(届出等)

1問から3問出題されます。

宅建業者としてふさわしいか判断するための「免許の基準」は大切です。「免許の効力(各種届出等)」は、それぞれの手続きについて比較しながら整理しておくと良いです。

細かい内容も多いですが、出題されるところは比較的限定されています。

5.事務所以外の場所

ほぼ毎年出題されます。

モデルルームや現地案内所等の「事務所以外の場所」の規制について、事務所、案内所等、現地を比較しながら学習すると覚えやすいです。

それぞれ標識、宅建士(成年者である専任)の設置、報酬額・帳簿・従業員名簿、届出が必要か不要かを具体的に確認しておきましょう。

6.宅地建物取引士 7.宅地建物取引士証

宅建士の登録と宅建士証の交付は、かなり重要度の高い項目です。毎年必ず出題されます。

「宅建士の登録」は、3、4の「免許」の項目と比較して覚えておく必要があります。免許制度と宅建士制度を比較した知識を確認する問題が出題されています。

宅建士証の交付については手続きについての規定が出題されます。

免許制度と宅建士制度は必ず比較しながら整理しましょう。

8.営業保証金 9.弁済業務保証金

営業保証金、弁済業務保証金は、毎年各1問ずつ出題される重要度の高い項目です。

それぞれ、お客さんを助けるという目的は同じですが、手続きの流れは異なる部分も多いため混同しないように覚えましょう。

供託や還付、取戻しに関する手続きを分けて整理することが必要です。

10.媒介契約、代理契約

「媒介契約」、「代理契約」は、毎年出題されるとても重要な項目です。

「一般媒介」、「専任媒介」、「専属専任媒介」の3種類について規制を中心に比較しながら整理しましょう。また、「媒介契約書面の記載事項」も大切な項目です。

11.広告に関する規制

「広告についての規制」も毎年出題されます。

中でもお客さんに誤解を与える「誇大広告等の禁止」や開発許可や建築確認の許可等を受ける前の「未完成物件の広告の禁止」はしっかりと確認しておきましょう。

12.重要事項の説明(35条書面)

毎年出題されるとても大切な項目です。2問以上出題されることもあります。合格後、宅建士として実務を行っていく人にとっては特に覚えておかなければいけない項目です。

まず、どの内容が「重要事項」に該当するか、次に「いつ」、「誰が」、「誰に対して」、「何を」、「どのように」説明するか把握しておく必要があります。

覚える箇所が多く、比較的難しい箇所ですがしっかりと得点したいとても重要な項目です。

13.37条書面

37条書面も35条書面と同様に毎年出題される重要箇所です。

37条書面は、35条書面と比較しながら、「いつ」、「誰が」、「誰に」、「何を記載して交付する」か整理しておきましょう。

37条書面は、「交付方法」と「記載事項」が出題されます。

「絶対に記載しておかなければいけない事項」、「定めがあるときにだけ記載が必要な事項」の2種類を比較しながら覚えましょう。

14.その他の業務上の規制

ここ数年は、毎年出題されている項目です。宅建業者や従業者の義務や禁止事項について確認しましょう。

宅建業者の信義誠実の原則、従業者への教育(努力義務)、守秘義務、業務に関する禁止事項を確認しましょう。

また、宅建士の業務については法改正事項がいくつかあります。「宅建士の業務処理の原則」や「宅建士の信用失墜(しっつい)行為の禁止」、「宅建士の知識及び能力の維持向上」はおさえておくべき項目です。

15.16.17.18.自ら売主制限(8種制限)

自ら売主制限(8種制限)は最も出題が多く、宅建業法の中でも最も大切な項目です。4問程度出題される年もあります。

特に難しさはないため確実に点数を取りたい項目です。一つ一つ確実に覚えましょう。

8種制限の中でも、特に出題頻度が高いのが、「クーリング・オフ制度」、「手付金等の保全措置」、「手付の額・性質の制限」、「損害賠償額の予定等の制限」「瑕疵担保責任の特約制限」です。

自ら売主制限は、8種類を一覧表等で比較しながら学習すると分かりやすく覚えやすいです。頑張って乗り切りましょう。

19.報酬に関する制限

「報酬に関する制限」の問題の特徴は、計算問題が1問出題されることです。

売買、交換、賃借の制限や消費税の課税・非課税の取り扱いや計算等がよく出題されます。計算問題といっても複雑な計算ではなく決まった問われ方で、問題レベルは基本的な内容です。

確実に得点したい項目です。

20.監督処分 21.罰則

「監督処分」と「罰則」ですが、出題頻度が高い項目は「監督処分」です。毎年1問出題されます。

「監督処分」の中では、免許取消処分についての処分権者や処分対象事由がよく出題されます。確実に理解しておきましょう。

22.住宅瑕疵担保履行法

住宅瑕疵担保履行法は、平成22年から宅建業法の関連法として毎年1問出題されています。

問題は、ほとんど同じ事柄がよく問われています。住宅瑕疵担保履行法も確実に得点したい項目です。供託や保険契約、情報提供等についてしっかりと整理して確認しておきましょう。

 

権利関係の傾向と対策についてはこちら👇をご覧下さい。

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まとめ

宅見(たくみ)所長

宅建業法は得意科目にしましょう!宅建業法を攻略することが宅建士試験合格の近道です。

宅建士試験は全体的に過去出題された問題がよく出題されます。過去問を攻略することが合格の近道ですが、宅建業法では特にこの傾向が強いです。

宅建業法は過去問演習を繰り返し、過去問(10年程度)はほぼ全て正解できるレベルにしていただきたいです。

宅建業法を得意にしておくと、権利関係等の科目にゆとりをもって取り組むことができます。

宅建業法が得意科目になれば、あなたは必ず合格できます。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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